「気」という漢字を使った言葉はとても多いです。
元気、病気、天気、活気、電気、気分、陽気、陰気、気概、気力、気遣い、など、
文字としてみることもあれば、言葉として使うこともたくさんあると思います。
一方で、「氣志團」「合氣道」など、あまり見かけないかもしれませんが、「氣」という漢字も、見たことがあると思います。
日常的に使われているのは「気」という漢字ですが、この「気」と「氣」の違いはどのような意味があるのでしょうか?その違いを深くみていくと色々な隠された意味があったのです。そして実際に自分自身の「気」を高めるためのヒントも隠されていました。
今回はそんな「気」という漢字にまつわるふか~い意味を解説していきたいと思います。
「気(氣)」について理解を深めると漢字の違いが見えてくる
「気」と「氣」という漢字の違いは中の部分が「〆」か「米」かの違いです。
氣 米 八方広がりという意味
気 〆 閉じ込めるという意味
同じ「き」という漢字でも、八方広がりと閉じ込めるでは180度意味が違ってきます。
現代では一般的に「気」を使われていますが、「氣」ではなくて「気」が使われるようになったのは、単純に画数を減らしたかったわけではありません。それぞれの漢字に重要な意味が込められているのです。
「氣」→「気」になったキッカケ
そもそも「気」という漢字が使われるようになったキッカケは戦後になってからです。戦前までは「氣」という漢字が使われていましたが、日本が戦争に負けてアメリカの占領下に置かれるときに、GHQによって様々な統治が行われました。
そのうちの1つが「氣」→「気」という漢字に、いつの間にか変更をされていたのです。
「き」という漢字の中を「米」→「〆」にするだけというどうでも良さそうな変更ですが、GHQにとっては変更したほうが都合が良かったので、変更をしているのです。
なぜ変更をしたのか、ということをわかりやすく理解するために「気(氣)」について深く見ていきましょう。
「気(氣)」を理解するうえで重要な「トーラス構造」とは?
「トーラス構造」という言葉を知っているでしょうか?
言葉を覚える必要はありませんが、「気(氣)」を理解するうえでとても重要な概念なので、解説していきます。
トーラス構造とは、このように「ドーナツ型」をしている物体のことを言います。
実は自然界・自然物には、このトーラス構造になっているものが多く存在します。一番わかりやすく、イメージしやすいのは「磁石の磁場」ではないでしょうか。
小学校の理科の実験で、某磁石の周りに砂鉄を置いて、磁石の流れを視覚化するという経験をしたことがあると思います。
この磁場の流れが「トーラス構造」になっています。
また、地球自体も大きな磁石になっているので、私たちは目にすることはできませんがトーラス構造の磁場が存在します。大気の流れ、海流、台風の構造など、自然物はトーラス構造になっています。
地球という大きな物体を見ましたが、実は私たち人間にもトーラス構造の磁場が存在しているのです。
もっと大きな(マクロな)視点でみると、太陽系もトーラス構造であり、銀河系もトーラス構造になっているのです。
私たちは「トーラス構造」の影響を受けながら生きている
このように世の中を見てみると、私たちは目にすることができないけど、自然界ではトーラス構造になっている物が実はたくさんあり、トーラス構造のエネルギーの影響を受けているのです。
もっと言うと、自分自身もトーラス構造のエネルギーを発しているのです。そして、この構造を頭に入れておくと「気(氣)」について理解がしやすくなっていきます。
「氣=エネルギー」と解釈するとわかりやすい
ここでもう一度「気(氣)」について話を戻します。
「気(氣)」という漢字は色々なところで使われていますが、この「き」を、
「氣=エネルギー」
と解釈すると「気」という漢字を使っている意味がわかりやすいと思います。
元気=元のエネルギー
勇気=勇ましいエネルギー
天気=天のエネルギー
病気=病んだエネルギー
空気=空のエネルギー
気持ち=持っているエネルギー
など、他にも「気」を使っている熟語はたくさんありますが、「気」の部分を「エネルギー」に変換しても意味がわかると思います。
「気」と「氣」の漢字の違いを見てみると
ここでもう一度、「気」と「氣」の漢字の違いを見てみましょう。
氣 米 八方広がりという意味
気 〆 閉じ込めるという意味
ここでいう「米」は、食べるお米という意味ではなく八方広がりという意味で、エネルギーが八方に広がっている様子を表現しています。
そしてこの「米」のように八方に広がっている様子が、先ほど解説した「トーラス構造」であり、「氣」という漢字はトーラスの形にエネルギーを発散している様子の漢字なのです。
一方で「気」は「〆る」という漢字が使われていますが、エネルギーを外に出さないように閉じ込めるという意味で使われています。
「氣」→「気」になったキッカケがわかる!?
ここでもう一度、「氣」→「気」になったキッカケに話を戻すと、「気」という漢字が使われるようになったのは戦後、アメリカの支配下に置かれる中でGHQによって文字の改良が行われました。
GHQにとっては日本人のエネルギーを閉じ込めるたほうが統治するのに都合が良いため、文字まで徹底して改良を行ったのです。
それは、日本には昔から「言霊」と言われるように、言葉や文字自体にエネルギーが宿っていると言われていました。そこで、日本人のエネルギーを高めるような言葉や文字は効果を無くすようにアメリカサイドも工夫をしていたのです。
そのくらい、アメリカは日本の文化をはじめとして色々なことを研究していたのです。
そして日本人は昔から氣(=エネルギー)はトーラスのように八方に広がるということを知っていたため、氣という漢字に「米」を使っていたのですね。
「氣」に「米」が使われている理由は日本特有の「稲作」との関わりも深い
もう一つ、「氣」に「米」が使われている理由は、日本特有の「稲作」との関わりも深いといいます。
日本に稲作が伝わったのは弥生時代で、それ以降日本人の主食は現代のように食文化が多様化するまでは「米」が主食でした。
貴族や武将たちのように階級が高い身分の人たちは、色々なおかずなどを食べることができていましたが、それでも主食は「米」で、階級が低い身分の人たちは食事は「米」とちょっとした漬物、汁物であり、日本人は「米」から「エネルギー(=氣)」を養っていたのです。
そのため、エネルギーを意味する「氣」という漢字に「米」が使われていると言われているのです。
日本人には「米」が適している!?
現代社会では、食文化の多様化によって「米」を食べる人が少なくなってきました。それに変わって栄養源となっているのはパン、麺、パスタなど小麦や、大豆や肉、魚からも十分な栄養を摂ることができるようになりました。
栄養的に見れば小麦、大豆、肉、魚からの栄養源も良いかもしれませんが、日本人のDNA、遺伝子に刻まれた背景を探ると、「米」からエネルギーを養うほうが日本人に取っては適しているのかもしれません。
これには色々な意見があるかもしれませんが、いずれにせよ食事をするときも「氣」を意識することが、自分のエネルギーを高めるために大切なことであります。
自分から発せられる「トーラスのエネルギー」を意識する
「気」と「氣」の違い一つ取っても、ここまで深い意味が隠されています。そのくらい、深い意味を持って自分から発せられる「氣(=エネルギー)」も意識してみてください。
あなたから発せられるエネルギーはトーラス状に周りに広がっているので、良いエネルギーも悪いエネルギーも周りの人に影響を与えています。逆にいうと、周りの人のエネルギーもあなた自身に影響を与えているとも言えます。
そして、良いエネルギーは良いエネルギーを引き寄せて、悪いエネルギーは悪いエネルギーを引き寄せます。氣が良いの人たちが集まる中に自分も入ると、自分自身の氣も高まっていき、自分の氣も強くなっていきます。
意識して氣の良い場所に足を運ぶ、氣の良い食事をする。それだけで自分のエネルギーをドンドン高めていくことができるので、ぜひ、「トーラス状の氣の流れ」を意識して毎日を過ごしてみてください。